転職ノウハウ
日本M&Aセンターへの転職は難しいか
公開日 2025年/読了目安 7分
日本M&Aセンターの採用選考は難易度が高い
日本の99%以上を占める中堅中小企業は、高齢化に伴う後継者不足から廃業の危機にあります。M&A仲介で課題を解決する日本M&Aセンターは、市場拡大に伴い急成長を続けています。
転職市場でM&Aアドバイザー職の人気は極めて高く、選考難易度も高水準です。理由は前職での突出した成績の要求、複雑な選考フロー、高い倍率の3点です。
内定者の多くは営業出身者で、前職で上位10%以内の実績を継続した人物が選ばれます。成果主義であり、心身のタフさが必須とされるためです。
主な内定者の出身企業
- メガバンク(三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行)
- 大手証券(野村證券、大和証券、SMBC日興証券)
- 営業会社(キーエンス、リクルート、オープンハウス、大塚商会、楽天)
- 大手商社(三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅、双日、豊田通商)
学歴フィルターはなく営業実績が重視されます。東京や大阪、愛知に加え、広島、福岡、北海道、沖縄など地方拠点でも積極採用が行われています。
選考は書類や面接2〜3回のほか、適性検査、作文、プレゼンテーションが課されます。年間100名ほどの採用枠に年間数千名が応募するため、限られた時間で魅力を伝える準備が必要です。
求める人物像は経営課題を解決するプロフェッショナルです。専門知識は入社後の研修で補えるため学習意欲が重視されます。経営者へ敬意を払い、信頼関係を築ける人柄も評価されます。
多彩な職種で専門性の高い人材を募集する
フロント職から管理部門まで広範なポジションで募集が行われています。
- M&Aアドバイザー(海外事業部含む)
- IPO支援コンサルタント、M&Aコンシェルジュ(会計事務所担当)
- コーポレートアドバイザー(税理士、会計士、弁護士、司法書士、法務室)
- M&Aクオリティマネジメント、Webエンジニア
- 営業サポート、インサイドセールス
- マーケティング企画担当(ISR部)、経営企画、総務、営業企画
特に注力するM&Aアドバイザーは年間100名程度採用されます。正社員雇用で、ソーシングからクロージングまでの全工程を一貫して担当します。
応募資格は大卒以上で業務への熱意を持つ人物です。未経験者歓迎で専門知識は不問です。法人営業、提案型営業、金融機関や投資銀行の実務経験者は歓迎されます。
想定年収は400万〜1,200万円で50時間分の固定残業手当を含みます。年2回の賞与と上限なしのインセンティブで構成され、給与改定は年1回です。
週休2日制で年数回の土曜出社があります。祝日、夏期、年末年始、有給、慶弔休暇を完備し、社用携帯とPCが支給されます。
主な福利厚生や制度
- 社会保険完備(健康、厚生年金、雇用、労災)
- 退職金制度、資格取得支援、専門書籍購入費全額補助
- ベネフィット・ワン、リゾートホテル会員権、慶弔金制度
勤務地は東京本社(千代田区丸の内)、大阪、名古屋、福岡、札幌、広島、沖縄です。
業界最大手として高収益な事業基盤を持つ
中堅中小企業専門のM&A仲介で国内最大手(東証プライム上場)です。累計成約実績は6,500件を超え、2020年度は年間914件を成約させて過去最高の売上高と経常利益を記録しました。
会社の主な特徴
- 中堅中小企業専門のM&A仲介で実績首位
- 成果至上主義の風土と高い営業力を持つ社員の在籍
- 平均年収1,243万円を支える高比率のインセンティブ
- 月平均残業90時間程度で高い働き方の自由度
1991年の創業以来、全国の会計事務所との提携を軸に友好的M&Aを支援してきました。事業承継のほか業界再編、上場支援、PMI支援、子会社バトンズによるスモールM&Aも展開しています。
提携先は地方銀行の9割(96行)、信用金庫の8割(212信金)、会計事務所969箇所、大手金融機関やファンドに及びます。
会社概要
- 資本金37億円(証券コード2127)、設立1991年4月25日
- 代表者:代表取締役会長 三宅卓、代表取締役社長 竹内直樹
- 従業員数:連結848名(2021年4月1日時点)
- 時価総額:2,541億円(2025年8月28日時点)
売上高推移(連結)
- 2017年3月期190億円/2018年246億円/2019年284億円/2020年320億円/2021年361億円/2022年404億円/2023年413億円/2024年441億円
経常利益率は常に44%以上を堅持しています。創業者の分林保弘氏と三宅卓氏は日本オリベッティ出身で、中小企業M&Aのノウハウを確立させました。三宅氏の著書に「会社・社員・お客様 みんなを幸せにするM&A」「M&Aを成功に導くPMI」があります。
2018年中期経営計画では2021年に世界No.1のM&A総合企業を目指す目標を掲げました。日本投資ファンドや日本PMIコンサルティング(旧:日本CGパートナーズ)等の専門子会社を設立し、士業やエンジニアも積極採用予定です。
アジア圏を中心に唯一クロスボーダーM&Aも推進しています。タイ、シンガポール、中国、香港、バングラデシュへの進出撤退や韓国代理店の買収支援事例が存在します。
高額なインセンティブで高い年収水準を誇る
有価証券報告書による平均年収などの推移
- 2017年3月期1,419万円(35.5歳/3.9年/271人/190.4億円)
- 2018年3月期1,320万円(35.7歳/4.1年/321人/246.3億円)
- 2019年3月期1,414万円(35.1歳/3.8年/415人/283.4億円)
- 2020年3月期1,353万円(34.7歳/3.5年/531人/317.6億円)
- 2021年3月期1,243万円(34.3歳/3.4年/810人/361.3億円)
- 2022年3月期1,202万円(34.0歳/972人/404億円)
- 2023年3月期1,114万円(33.8歳/3.9年/1,083人/413億円)
- 2024年3月期1,182万円(34.1歳/1,043人/441億円)
平均年収の微減は若手採用の増大や管理部門を含むためで、アドバイザー単体では1,000万円台半ば〜後半と推測されます。「30歳推計年収ランキング」ではトップ5常連であり、総合商社やキーエンス、戦略コンサルに匹敵します。
高年収の背景は2020年度に営業利益率45.4%を記録した高収益構造です。設備費や原材料費が不要で人材能力に依存するため、低い原価率を活かして高い報酬還元を可能にしています。
手数料の一部が還元される上限なしのインセンティブ制度により、20代で5,000万円、30代で年収1億円を狙うことも可能です。
多忙な面もあるが働き方の自由度は高い
業務は開拓、提案、企業評価、契約作成など多岐にわたります。案件紹介のほかテレアポやDMでの開拓も行い、行動量が求められます。月の半分以上が出張となる場合もあります。
役割は売り手担当と買い手担当に分かれます。買い手担当は論理的な説明力や大量のタスクをこなす処理能力が求められます。売り手担当は社長の想いに寄り添う共感力や、書類の電子化といった地味な作業をこなす忍耐強さが必要です。
残業は月平均80時間程度で佳境期は100時間を超えます。未経験者は初期の1〜2年に専門知識の自己研鑽が必須となります。
離職率は未公表ですが、平均勤続年数は3.5年前後です。従業員規模が大きいため離職者数も多く見られます。
豊富なキャリアパスと徹底した選考準備が鍵になる
配属先は業種特化、提携統括・大手金融、ダイレクトマーケティング、海外の4事業部が中心です。子会社や海外拠点への異動の機会もあります。
社外へのキャリアパスは事業会社の経営企画、同業ベンチャー役員、戦略コンサル、PEファンドへの転職や独立です。インセンティブで資金を蓄え、コンサルや飲食、人材分野で起業する事例も豊富です。
採用枠は増えているものの、各業界で上位の成績を残した優秀な志願者が集まります。志望者は業界知識や企業の強みを深く把握して選考に臨むため、企業理解や選考対策を徹底する姿勢が欠かせません。