転職ノウハウ
未経験からM&A業界へ転職する方法
公開日 2026年/読了目安 5分
M&A仲介業界へ未経験で転職する難易度は高い
経営者が身を粉にして育て上げた会社の売買を決断してもらう仲介業務には、極めて高いビジネス総合力と人間力が求められます。未経験からの転職難易度はかなり高い業界です。
数年前と比較して仲介会社の社数は右肩上がりに増えています。それに伴い、新卒採用や未経験者の中途採用を積極的に進める企業が増加傾向にあります。
ただし内定獲得の難易度は高めです。圧倒的な実績や専門知識、ビジネスセンスが問われるため、書類選考から内定に至る通過率は平均して数%程度にとどまります。
金融業界出身者が多い業界ですが、近年は他業界からの転職者も増えています。現職で特定の条件を満たすことで内定の可能性を高められます。
営業成績で上位10%以内に入ることや法人営業・新規開拓経験があると評価されます。採用実績のある企業(証券、メガバンク、地方銀行、MR、総合商社、専門商社、コンサル、キーエンス、リクルート等)への在籍も有効です。
公認会計士や税理士の資格、簿記2級レベルの財務知識と実務経験、中小企業診断士などの資格取得も有効な要素となります。
業務内容の具体像と市場が拡大する背景を掴む
M&A仲介業界は、会社を売りたい企業と買いたい企業をマッチングさせる役割を果たします。主な主体には投資銀行、プライベートエクイティーファンド、FA、仲介会社などが存在します。
大型設備投資や広告宣伝、システム開発を必要としない事業であるため利益率が高い企業が多く、平均年収が高い点も特徴です。
アドバイザー業務はソーシングとエグゼキューションに分かれます。ソーシングでは、次の業務を担います。
- 新規顧客開拓(候補企業をまとめたロングリストの作成からアプローチまで)
- 売却や買収方針の決定
- 専任の契約となる場合が多いアドバイザリー契約の締結
エグゼキューションの業務範囲
- 基本合意の締結サポート(取引条件の確認で法的拘束力なしが多い)
- DD(デューデリジェンス)のサポート
- 最終契約締結のサポート
- 株式や事業の譲渡と対価支払いを実行するクロージング(譲渡実行)
主な仲介企業
- 日本M&Aセンター
- M&Aキャピタルパートナーズ
- ストライク
- FUNDBOOK
- M&A総合研究所
- ブティックス
- インテグループ
- M&Aベストパートナーズ
- オンデック
- ウィルゲート
国内成約件数は1990年代後半から2000年代前半に急増しました。2008〜2011年は震災やリーマンショックの影響で減少しましたが、2012〜2019年は増加が続き、2020年は感染症の影響で9年ぶりに前年比減となりました。
背景には経営者の高齢化(平均年齢60代前半)や後継者不足があり、中堅中小企業の取引が市場を牽引しています。双方を仲介する仲介会社に対し、FAは片方の専属として顧客利益の最大化を目指します。
未経験者が選考を有利に進める条件を整える
選考を有利に進めるには現職での圧倒的な実績が必要です。営業成績で上位3〜5%以内、最低でも上位10%以内が望まれます。
経営者から信頼を得る武器として評価される資格
- 事業承継・M&Aエキスパート
- M&Aスペシャリスト
- JMAA認定M&Aアドバイザリー
- 事業承継士
- 中小企業診断士
- 日商簿記(1級・2級)
- 税理士・公認会計士
簿記2級は入社後取得を義務付ける企業もあります。
面接では実績に加え、結果を出せた理由や工夫、他者との差別化ポイントの説明が求められます。成約まで平均8ヶ月〜1年かかるため課題解決の思考力が重視されます。金融出身者は独自施策の提示が重要です。
採用実績が多い主な業界や企業
- 金融(五大証券、メガバンク、第一地方銀行、信託銀行、生保・損保)
- 商社(五大総合商社、阪和興業、長瀬産業、岩谷産業)
- コンサル・監査法人・MR・キーエンス・リクルート等
英語力は原則不要ですが(日本M&Aセンター海外支援室除く)、FASや投資銀行、外資系では求められます。年齢は20代〜30代前半が全体の約9割を占め、30歳超は難易度が上昇します。学歴は大卒以上が基本ですが大手部門では高い学歴が必須です。
職務に向いている人物像と得られる成長機会がある
適性がある人物像
- 圧倒的な成長意欲と向上心がある
- 専門知識を身につけたい
- 顧客の課題解決に長期間寄り添いたい
- 成果報酬で評価されたい
- 高い年収を得たい
- 大きな達成感を味わいたい
金融、法務、会計、労務、経営の知識を総合的に得られ、将来の起業や事業作成を目指す人にも適しています。従業員や家族の未来に影響を与えるため、強い社会貢献性を実感できる仕事です。
案件ごとに新しい学びがあり、チームで協力して進めます。初回訪問から成約まで平均約8ヶ月を要し、取引金額は数億円〜数十億円規模に及びます。若手から大きな裁量権を持って案件を担当できます。
転職を目指す際に把握すべき注意点が存在する
即戦力が期待されるため、経営者の信頼を得る圧倒的な営業力やコミュニケーション能力が必須です。財務、法務、税務の専門知識も不可欠であり、簿記2級以上や中小企業診断士などの資格取得が役立ちます。
出張が多く月の新規訪問は約10〜20件に達します。アポイント獲得、株価算出、提案資料や契約書の作成なども自身で行うため多忙であり、休日訪問の発生もあり得ます。
若い年次の転職者には多くのチャンスがあり、一定の実績があれば若さが有利に働きます。財務や会社法、税務などの知識保持も選考で優位になります。
未経験から応募できる企業と選考突破の対策を練る
未経験から応募できる主な企業
- 日本M&Aセンター
- M&Aキャピタルパートナーズ
- ストライク
- FUNDBOOK
- M&A総合研究所
- オンデック
- インテグループ
- ブティックス
- M&Aベストパートナーズ
- M&Aコンサルティング
- ウィルゲート
ビジネスモデルや社風、インセンティブ比率が異なるため、自身に合った企業選びが不可欠です。
選考基準は非常に高いため、安易な志望動機では不採用となります。現職実績に加え事前準備の徹底が必要です。業界情報は閉ざされているため、精通したエージェントの活用が推奨されます。